ぷれ・トイトレ心構え編

心構えその① 排泄成功までには日数がかかると心得る

出来ていく順序は、日々少しずつ

 おまるに座るイコール排泄する、と簡単に考えている方が多いのですが、そう単純にことは進みません。大きく分けて3つの慣れが必要です。

 ①場に慣れる

 ②物に慣れる

 ③排泄スタイルに慣れる

 まず、排泄をするという前の段階で、おまるに慣れる必要がありますが、そのもっと前の前提として、①場に慣れるというプロセスが必要です。場というのは、おまるを置いてある場所のことです。もし、おまるをトイレに置いている場合、そのトイレという空間に最初に慣れる必要があります。実践してみるとわかるのですが、子どもはキョロキョロして落ち着きませんし、様々なものに触れてこれは何だろうと確かめようとし、動きます。その場合は排泄のことはさておき、まず好きなように行動させて見守ることが大事です。私の長女の場合は、トイレットペーパーに興味を示し、永遠と引っ張り続けるという行動をしました。しかし何日か経過するとそれもおさまりました。

 次に、②物に慣れる、というのは、例えばおまるなどのアイテムのことです。おまるを購入して、いざ座らせようとしても、中の容器を出してみたり、ひっくり返して帽子にしてみたり、中におもちゃを入れてみたり・・・。子どもは様々な反応をしますから、優しく見守ることが大事です。思う存分遊ばせたら飽きる日がくるので、それまで排泄のことはお預けです。

最後に、③排泄スタイルに慣れる、というのは、座って排泄することを子どもに慣れて理解してもらう、ということです。立ったまま排泄することを好む子どもが多いのですが、それを座って且つスースーした状態で排泄する、ということに慣れさせる必要があります。いざ、おまるに座らせたとしても、スースーした状態に慣れていないと嫌がりますし、出るものも出ません。

 このように、おまるを購入したら、3つのことを順番に目標にし、実践してください。そしてようやく最後に、排泄できる日がきます。それまで結構時間がかかる場合がありますが、気長に見守ってみてください。

 今までずっとオムツの中にしてきたので、体感覚が異なると、上手くリラックスして排泄できないのです。そのことをよく理解して、毎日少しずつ進めてくださいね。

心構えその② ほめる時のテンションが大事

褒めてもいいが、そのときのテンションを、失敗したときとなるべく同等にする

 最近の育児法で褒めるほうがよい、褒めすぎないほうがよい、など賛否両論ですが、私の持論はこうです。

 失敗したときに、人間ですから残念な顔をしてしまうと思います。笑顔にはすぐなれないですよね。でもそのときのテンションと、成功したときのテンションが極端に違いすぎると、子どもは動揺します。失敗するとママの顔が険しくなり、成功するとものすごく喜んで笑顔になり、ものすごく褒められる・・・。それだとあまりに反応が違いすぎて、失敗することがこわくなります。

 おむつはずし完了に向けて、日々の排泄に寄り添うということはつまり、失敗の連続をも温かく見守る、ということです。失敗から自分の排泄について学び、次第に理解できるようになり、その先に成功があります。

 あまりに毎回テンションが違いすぎると、毎回失敗した時に、子どもも嫌になってしまうと思いませんか?そして挑戦することすら嫌になってしまうと思いませんか?

 完全に同等にはできないと思いますが、これならばどうでしょうか。

 成功したとき

 おまるでできて良かったね!気持ちよくできたね。また今度もしてみようね。(通常よりやや笑顔で言う)

 お漏らしして失敗したとき

 これがおしっこだよ、わかるかな?大丈夫だよママが拭くからね。今度はおまるでしてみようか。おまるだとスッキリして気持ちがいいよ。(言いながら、淡々と拭きます。後ほど詳しく書きますが、事実を伝えて五感で感じられるようにすることが大事です)

 どうでしょうか。これなら、極端に違いすぎないのではないでしょうか。

 ダメな例として、

 すごい!えらいね!よくやった!!

という感嘆の言葉だけを言って褒める方法です。たしかに、大人が言われると嬉しいものですが、子どもにとっては、何がすごくて、何が偉いのかがよくわかりません。きちんと事実を具体的に伝える方がわかりやすいのです。

心構えその③ 体調の悪いときはやらない

 体調不良の時は自律神経が乱れていますので、内臓機能も低下している場合が多々あります。そんな状況で一生懸命に実践してみても、子どもも失敗続きになりますし、ママもお世話に疲れてしまいます。プレトイトレ完了のためには成功体験も積み上げていくことが大事です。体調不良のときは、さっさとあきらめて、調子が回復してから再開することをお勧めします。

心構えその④ 最終ゴールと日々の目標は別物

 このプレトイトレ法は8割オムツをはずす方法をご紹介しています。ゴールはそこですが、いきなりそこへ到達するわけではなく、その実践の日々は非常に地味なことの繰り返しです。進む途中にはイヤイヤ期が訪れたり、後退してみたりと、色々あります。そんなことも全て承知の上でのプレトイレトレーニングです。準備期間という位置づけなので、お漏らしをすることは普通です。毎日が成功の連続、というのはありえません。そのため、日々の目標はわずかな成長を見ながら立ててください。

心構えその⑤ やらない時間をあえて設けてみる

 真面目なママさんに多いのが、一日中ずっと一生懸命頑張っている・・・というやり方です。

 それではママの方も疲れてしまい、長続きしませんので、最初はやめておいたほうが良いです。毎日コツコツ続けるためには、むしろ、やらない時間帯を最初から決めておき、その時間になったら、紙オムツを履かせて通常通りの生活にした方が健全です。

 私は日中、長女が保育園に行っていたので、平日は朝と夕方しか実践できませんでした。しかし、かえってその方がメリハリが付いてよかったのか、家では毎日実践することができ、無事に外すことができました。一日中ずっと実践していると、失敗率も多くなりますし、何よりずっと見ていると家事など何も進まないので、ストレスがたまってしまいます。

 それよりも、時間で区切って、ストレスフリーに過ごして、毎日少しずつ成長した方が母子ともに良い結果となります。

心構えその⑥ 最初の実践時間は短いほうが良い

 子どもの集中力には限界があります。特に0才1歳は、集中力がそもそも短いです。そのため、10分も15分もおまるに座らせるのは逆効果になるため、NGです。(慣れてくると、逆に間が大事になり、子どもの方も、排便し終わるまで座りたがるようになります)最初は慣れないおまるなので、嫌がる子が多いのです。嫌がらない程度に座ってさっさと終了し、たとえ出なくても、

「ちゃんと座れたね!良かったね!また座ってみようね!」

などという、ポジティブな声がけができたら、満点です。私の長女も、途中からこのことに気がつき、変えてみたところ、本人が満足そうな表情をするようになりました。

心構えその⑦ まず最初の21日間を乗り切る

 人間誰しも何かを開始して21日間を乗り切る続けるとそれが習慣化するといわれています。私も最初は続けるのがかなりおっくうでした。2人の子どもの面倒をみるのだから時間がないと思いこんでいましたし、続けられるか不安でした。

 そのため、朝の5分から開始しました。しばらくその5分を続けてみると、10分、15分と、次第になれてくる自分がいました。そうしてなんだかんだ1ヶ月ほどすぎたところ、自分の生活の一部として、おむつはずしが定着しているのを感じました。習慣はおそろしい、ということをよく聞きますが、習慣を見方につけると人間は本当に変わるのだなということを、そのとき実感しました。

心構えその⑧ パーフェクトを目指すより、大事なのはコミュニケーション

 幼い子どもが、排泄のことを100パーセントできる子はいません。失敗を重ねて成功率が上がっていきます。

 そんなとき目標は100パーセントではなく、あくまで昨日の子どもの様子との比較です。本書でも、8割達成を目指しています。テストでは8割できたら上出来、資格試験でも何でもだいたい8割できたら合格、というところが多くないですか?世の中に出ても、8割達成すれば、だいたい良いのです。

 そして、排泄時にコミュニケーションがしっかりしていれば、赤ちゃんの方も、その場所、空間、物に対してポジティブなイメージを持ちますから、結果、またここでおしっこに挑戦してみようかな、また座ってみようかな、ママと色々共感できて、楽しめる場所だな、と理解してくれます。そうやって、排泄することは気持ちがよくて楽しいことなんだ、と思えることができて、その結果毎日排泄できるようになっていきます。

 ママとの関係がギクシャクしていて、コミュニケーションもとれていなくて、そんな精神的不安定な状態で実践しても、排泄できるとは考えられません。

心構えその⑨ マイルールを構築していく

 プレトイトレ法を実践してみると、だんだんと自分なりの育児法・マイルールが確立されていきます。マイルールは、自分と子どもだけの独自のやり方や法則のようなものです。まず最初は本書のやり方で進めてみて、慣れたらぜひマイルールを構築してみてください。それは単におむつはずしだけでなく、その後の長い育児においても大いに役立ちます。

心構えその⑩ 周囲から聞こえてくる声は流す

 0才からはじめると、周囲から色々なことを言われます。時には批判されることも・・・。しかし、別に早期に結果を出すように強要するものでもありませんし、むしろ、子どもに寄り添ってゆっくりすすめていく育児法ですから、自信を持ってください。周りは何をしても、あなたへ色々言ってきます。早くはじめたら言ってくる人は、逆におむつはずしが遅くなってしまっても、色々言ってきます。しかし、それとこれとは関係がありません。以前、小児科の先生からこんなことを言われた、という話を聞いたことがあります。

 「育児書は読まないでくださいね」

 この意味、おわかりになるでしょうか。

 つまり、育児書に書いてあることよりも、今、目の前に存在している自分の子どもの様子をよーく観察してください、個性があるので、それをよく見てくださいね、ということなのです。

 周囲からあれこれ言われても参考程度にとどめ、自分なりのマイルール・育児法をつらぬいてください。




更新日:

Copyright© 天使のぷれトイトレ 0歳からはじめて2歳までに卒業♪ , 2024 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.